時効とは、ある事実状態が一定期間継続した場合に、その事実状態を尊重して、その事実状態に即した法律関係を確定するという法制度です。この事実状態が継続する必要があるとされる一定の期間を「時効期間」といい、時効の種類により時効期間が設けられている(例えば所有権の短期取得時効の時効期間は10年、所有権の長期取得時効の時効期間は20年、普通の金銭債権の消滅時効の時効期間は10年である)。
このような時効期間が進行している途中において、それまで継続してきた事実状態を妨げるような事実や行為が発生した場合には、もはや事実状態の継続が失われたことになるので、それまで進行してきた時効期間はすべて効力を失うことになります。
このように、一定の事実や行為によって、それまで進行してきた時効期間が効力を失うことを「時効の中断」と呼びます(時効の進行が「ふりだしに戻る」ということである)。
なお、時効を中断させるような事実や行為は「時効の中断事由」と呼ばれています。